創業するにあたって事業を開始・継続していくためには、資金が必要です。
もちろん、借り入れの選択肢を取る方も多いと思いますが、最低限金融機関が求める自己資金要件を満たさないと借入ができないということになってしまいます。
業種や全体の金額にもよりますが、一般的には、
検討している事業全体(設備・運転)の3割くらいが目安
と、弊所は考えております。
つまり、600万円ほど必要という場合は200万円の自己資金が必要、ということになります。
もちろん、この自己資金はあればあるほど、資金潤沢で事業がスムーズにいくだけではなく、創業の準備に対する「熱意」も感じられて金融機関の心象も良くなります。
上記に照らし合わせて自己資金が足りない…となった場合、一時的に別の金融機関から借り入れをしたり、知人から一時的にお金を借り入れることによって、自己資金があるかのように見せる方がいらっしゃいます。
しかし、金融機関面談の際に自己資金として確認されるのは、「通帳」です。
そのため通帳のお金の出入りにおいて急激な変化があると、突発的な資金調達をしたと判断されることがあります。
(つまり、起業のためにコツコツ貯めてきたお金ではない=準備不足ととらえられることもあります)
もし、今手元(たんす等)で現金を保管されている場合も上記のように判断されてしまう可能性がありますので、毎月口座で貯金し通帳に履歴を残すようにしておくようにすると良いでしょう。
3割ほど用意することは分かったが、事業全体の資金はどのように計算をすればよいのか?とお考えの方もいらっしゃると思います。
設備資金は実際の機材等の費用ですのでわかりやすいですが、「運転資金」をどう計算するか?というところが悩む部分です。
一般的に、最初の借入時、公庫は2~3か月先までの期間を運転資金とみていることが多いです。
そのため、心配だから…と1年分先の運転資金まで計算に入れた場合と大きなギャップが生まれ、その分の自己資金を貯めなければ…と考えてしまっている方も出てきてしまいます。
また逆に大きく運転資金を捉えていると、実際に申請した際に減額される可能性もあります。
このあたりの計算はややこしい部分もありますので、一度専門家への相談をオススメいたします。